親の気持ちなんてわからない。 ー小説 そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ
親の気持ちなんてわからない。
親を経験したことのない、私を含めた人はそうだと思う。
親がなんで私にこんなにもよくしてくれるのか、愛情を注いでくれるのか。
親が子供に対して、よくしてくれるのは、当たり前のことと思いすぎて、子供は考えないのが普通である。
学費だって馬鹿にならない。
親だって、遊びたいし、お金を使いたいだろう。
でも親になると、自分によりも子供にお金を使う。
私も親になったら、子供のために週5日間働いて、子供のためにものを買ってあげて、学費を支払ってあげることができるのであろうか。
どういう気持ちなのだろうか。
子供が幸せになることが、一番の幸せなのかな。
そんなことを考えさせてくれる、そして少し、親になることに憧れる、そんな本であった。
「そして、バトンは渡された」 瀬尾まいこ
主人公の女の子は、父親が3人、母親が2人いる。
しかし、不幸な人生を送っているわけではない。
大人の事情で、親が代わる代わる切り替わっているが、
それぞれの親にそれぞれの形で、愛されてきた。
高校生となってから、血の繋がっていない、”父親”と二人で暮らしていくとになるが、
その男が父親として、娘を愛して育てるため
父親らしくあろうと、不器用ながらも振る舞っていく日々は、とてもほっこりする。
高校生の娘の始業式だからと言って、有給を取ったり、
試験日早朝にカツ丼を作ったり。。
一般的な家族家庭を知らない、娘と父親のやりとりが友達のようでもある。
そんな日々も娘の結婚とともに終わってしまうが、
血が繋がっていないけれども、父親として、娘を送り出したことに、
幸せの絶頂を感じるシーンが、涙ものであった。
是非とも、みんなに読んで欲しい。
まだまだ、子供である人も。
親として子供がいる方にも。
子供を送り出した人にも。
親の気持ちが少しわかったかな。
ちょっと親になってみたいと思った気がする。